3月3日の女の子の節句と、
5月5日の男の子の節句に挟まれた、
4月4日、この日を…、
君なら何の節句と言うかな?
その何らかの節句に当てはまる人にお祝い申し上げます。
今日ら、桜満開のド真ん中、お花見日和じゃないでしょうか。
ここのところの昼間は陽射しが優しく、
ホッカホカな暖かさを感じるようになりました。
「シャクジイガワ」
と書くと、しゃっくりの止まらない爺さんの皺、
みたいな感じに見えますが、
僕の家の近くに、石神井川という川があります。
まぁ、川と言うよりも、
大きめの用水路と言った方がしっくりくるような川です。
この石神井川に、僕は何度も何度も寄り添って歩く事がありました。
かと言って、生活の動線には重ならない道ですので、
最近は全然来てなかったのですが、
久し振りに石神井川流域を歩きました。
と言いますのも、ここは川岸にたわわな桜並木がずっと続いていて、
花見で言うと隠れた名所なのです。
勿論、普通の道路ですから、そこで酒飲んでドンチャン騒ぐ様な事はできません。
ゆっくりゆっくり、ただ桜のパノラマを眺めながら散歩する、
流域住民の風流な楽しみとなっている場所です。
僕は、何か仕事の事を考えたり、歌詞を練ったり、息抜きをしたり、
ジョギングで汗を流しに、ここを通りました。
この川というよりも大きめの用水路である石神井川に、
何度も考えを浮かべては、確信を持ったり、ヒントをすくい上げたりしました。
僕は夜にここに来る事が多かったので、
僕が見る石神井川はいつも黒かったです。
つまり僕にとって黒い川とは石神井川です。
そして、深い川です。
実際は膝の高さにも及ばないくらいの浅い川ですが、
僕の深い川です。
『僕は裸だって言い続けて来たけれど、
あり余るほど何かに引き摺られてんだい。
嘘や、口実だけの、僕なりの味さ。
君の荷物は、そりゃ君だけのもので、
僕の荷物も、僕だけが引き摺ってんだい。
ずっと平行線で、重なっていく。
黒い川のオスとメスで、
魚はあっちこっちに生まれる。
ただ、愛の為に。
だから、君だけに、
一番弱い僕の姿を手料理にして、
君のお腹の中に逃げ込ませて。』
こんなフレーズをひねり出させてくれたのは石神井川でした。
今日はとてもおだやかに、桃色の春で僕を向かえてくれますが、
時として厳しく、また冷酷に僕を受け入れてくれるのも、
ここ石神井川なのです。 |